Qt Japan Summit 2015 (準備編)
2015年5月26日(火)、秋葉原のコンベンションホールにて「Qt Japan Summit 2015」が開催されました。
この記事では開催に至るまでの経緯を紹介したいと思います。
イベントの概要の話し合い
昨年の Qt Developer Day 2014 を 日本 Qt ユーザー会 としてお手伝いしたこともあり、2015年3月10日に The Qt Company のマーケティング担当者の方から「今年も日本で開催するから色々よろしく!」というメールがありました。
有料のイベントとして開催するか、無料でみなさんに参加してもらえるようにするかを話し合ったり、今年はどんなトピックのセッションをするのがいいかを話し合ったり、ウェブサイトで使う秋葉原の画像を決めたり(最初は東京タワーの写真と夜の新宿の写真が送られてきて、外国人の観光客がターゲットじゃないから!と思いました)、「最高の UX/UI を最高のパフォーマンスで」というキャッチフレーズを決めたり、スポンサー募集用の資料 をあれこれ改善したり、ノベルティの決定をしたりと、色々大変でした。
が、4/2 に公式サイトが公開されてからが本当の地獄でした。
公式サイトのバグフィックス
最初に公開されたサイトがバグだらけで、急遽色々フィードバックを募って、担当者にメールを送ってあれこれ修正してもらうという作業が1ヶ月以上続きました。1個直ったらまた1個変なバグが増える毎日でした。
途中から作業の内容が把握できなくなったため、http://www.qt.io/qtjapansummit2015/ の修正依頼項目 なるもので管理するようになりました。(なんかずいぶんひどいけれど、このまま記念に残しておこうw)
英語でのコミュニケーションも苦労し、最後の方はメールにスクリーンショットを添付して直してもらってましたw
結局全部は直しきれませんでしたが、これでもかなりまともにはなったと思います。この状態がイベントの1ヶ月前に出来ていればもっと人が集まったかもしれないし、公開時にちゃんと出来ていればもっとスポンサーが集まったかもしれないので、来年はこの反省を前向きに活かしたいと思っています。
トラック/セッション/その他企画
主催者、スポンサー、コミュニティの意向を反映しつつ、参加者にとってどういう形式がいいのか、どういう内容がいいのかを長期に渡って議論していました。最終的なものについてはだいぶ良くなって一応納得はしていますが、「ライセンス、ケーススタディ(、サポートの内容)のセッションができず、商用の機能の紹介が多めになってしまった」というのが反省点です。
一応、最初に「こうしたらいいと思うよ」って送った私の案をここに載せておきます。最終的なバランスを見据えてあえて商用のことを書かなかったりしていますね。
1. Business track for potential client * What is Qt * Why Qt? * Where Qt is used? * Few case studies 2. Tech track for current Qt user * Major new features in Qt 5.4/5.5 * QtWebEngine/QtWebChannel * Qt3D * Qt Creator * Developing, Debugging, Profiling, Deployment * Core features * QObject * Multi Threading * Internationalization 3. Hands-on track for prospective client * Qt basics or Qt for mobile devices or Qt for embedded devices I think lunch time is good for Support Desk session.
スポンサー探し
イベントの公式サイトやスポンサー募集用の資料があまりに良くなかったため、今年はあまり積極的にはスポンサーのお願いができませんでした。そんな中でも色々理解してスポンサーを引き受けてくれた PTP にはとても感謝しています。
来年はもう少し余裕を持って、スポンサーのお願いができる状態にしたいと思いますので、興味のある方は(予算的な意味で)準備をお願いします。
ユーザー会担当のセッション
初期の段階で「Qt3D できる人がいないからやってくれない?」という打診があり、ちょっと難しそうだけどおもしろそうでもあるし、Qt 5.5 の目玉のひとつでもあるので引き受けました。
その後、@hermit4 さんに協力してもらって Qt3D や送られてきた参考資料にあった QtCanvas3D について色々調べた結果、Qt3D はデモがまともに動(いているの)か(わから)ないしドキュメントもないので「Qt3D は来年まで待とう、QtCanvas3D は需要がわからないからやめよう」という結論に達してやめました。
Qt3D は The Qt Company ではなく KDAB という会社のエンジニアが中心になって開発が進められていて、以下の記事が参考になりました。
- Overview of Qt3D 2.0 – Part 1
- Overview of Qt3D 2.0 – Part 2
- Shadow Mapping in Qt3D 2.0
- Qt3D 2.0 The FrameGraph
当初は Qt3D のセッション一つをやる予定だったのですが、諸事情によりユーザー会として2つセッションをやることになり、結局なにをやるかはイベントの10日前の Qt 勉強会 #23 @Tokyo で話し合って決めました。
忙しい中引き受けてくれた @hermit4 さんには本当に頭が下がります。
おやつ部スポンサー
今年も日本 Qt ユーザー会として(おやつ部という名目で)公式にスポンサーをすることにしました。
勉強会やメーリングリスト、Slack 上で寄付を募ると同時に、主催者側と金額の交渉を続けていました。
さらに、今年の5月は Qt の20周年にあたる ということで、このイベントに合わせてお誕生日ケーキを発注しました。
ケーキのデザインや発注、寄付の受け付けと集金をうまいことやってくれた kenya888 にもすごい助けられました。
LT 発表者の募集
一応公式サイトにも募集の窓口があるのですが、応募に必要な情報とかがまとまっていなくて、(さらにそこをちゃんとする気力が残っていなかったもので、)勉強会に来てくれた人を中心に勝手にお願いして独断で決めました。フェアなやり方ではなかったと思います。申し訳ない。
The Qt Company の偉い人に喧嘩を売った
イベントの担当者の上司にも「もうちょっとなんとしないとやばくない?」ってメール送ったんですが、あまり分かってもらえなかったようなので途中で諦めました。来週オスロに行くので、その時に謝罪してきます。
メールの翻訳、つぶやきの翻訳
これもユーザー会の一部のメンバーに手伝ってもらって行っていました。
前日のリマインダーのメールが、登録されていない人にまで送られてしまうというハプニングがありましたが、あれは担当者が「意図的に」やったそうです。不快に思った方が少なからずいらっしゃったようなので、この場でお詫びいたします。
まとめ
不快な内容があちこちにあったと思いますが、来年もし Qt Japan Summit 2016 が開催されるのであれば、この記事を読みながら気を引き締めて挑もうということで、当日までの準備について思ったことを正直に書きました。
なかなか大変でしたが、イベント自体はなんとか無事に終了したので、今は色々やって良かったと思っています。